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健康シリーズ HEALTH

第63回:サプリメントの使用
量・成分を確認して安全に
水島協同病院薬剤師 兼保美穂
水島協同病院薬剤師 兼保 美穂
世界一の長寿国である日本において近年、健康維持、体力増進、美容、時には病気の緩
和等を謳っているサプリメントが流通しています。これらは薬局だけでなく、コンビニなどでも目にすることができます。
 今回は薬との関係などサプリメントについて少しお話させて頂きます。

●サプリメントとは?
 現在では曖昧になっていますが、『サプリメント』の元々の意味は、『身体に不足する栄養素を補う』です。現代社会の偏った食事だけではビタミンやミネラルといった必要な栄養素全てを必要量摂取することが困難なため、補う意味で作られたものです。しかし現在のサプリメントは、『今まで人間の身体の中に存在しなかった成分』を持つものも多数存在します。

●サプリメントは薬か?
 よく勘違いされているのが、サプリメント=薬という考えです。確かにサプリメントの中には、薬と同様の成分を含んでいるものもありますが、それでもサプリメントは薬ではありません。
 『医薬品』 は、 『薬事法』によって定められた方法で製造・確認された成分・純度・量・効能効果を持つものです。サプリメントはこの薬事法に則って作られたものではなく別の、『食品衛生法』などに則って作られたものです。また、本来のサプリメントであるビタミン・ミネラルは『栄養機能食品』として管理されています。
 サプリメントの効能は、『これを飲んだらこういった結果が出た、と言う人が沢山いるからそう効くのだろう』というのにすぎないのです。

●サプリメントは安全か?
 『副作用のない薬はない』のと同様に、サプリメントも絶対に安全だとは言えません。実際、身体に必要とされるビタミンやミネラルでさえ、過剰摂取は病気の原因になります。例えば、夜間視力の維持に必要なビタミンAの過剰摂取は、皮膚剥離や肝障害、胎児への悪影響等が報告されており、摂取量について警告されています。
 特にサプリメントは医薬品と違い、成分名の記載は必要ですが、成分量を記載する必要がありません。従って、より健康になると思って多めに摂取したら思わぬ量に……ということもしばしばあります。また、サプリメントは予め、起こるかもしれない副作用を調べ、知らせる義務がない商品でもあるのです。何が起こるか、起こった後で発覚し、報告されたケースもしばしば見受けられます。

●事故はどうして起こるのか?
 最近の紙面をにぎわせているのは、サプリメントによる健康障害、死亡事故の報道です。これらの原因は主に2つに分けられます。
(1)過剰(長期)摂取、(2)知らない成分・悪い成分が入っていた
(2)についてはサプリメントと健康補助食品の勘違いによるものです。特に通信販売などで購入された健康食品の中には、その影響の全てが知られていない場合があります。大多数に行き渡り始めて、全く出ないと思われていた影響が見つかってくる、というケースもあります。また、輸入製品の場合は、各国で含有していい成分・表示すべき部分が大きく違いますし、中にはそれ自体が違法商品で、薬にすべき成分が含まれている場合もあります(活力剤にステロイドが含有されていた例もありました)。

●薬に影響してくる?
 サプリメント(健康食品)が薬の働きを阻害することもあります。例えば、クロレラはワーファリンという、血液をさらさらにする薬の効果を弱めてしまいますし、セントジョーンズワートというハーブは、薬の代謝を早めるせいで、多数の薬の効き目が弱くなってしまったりします。後、ビタミン・ミネラルは薬との併用による過剰摂取もあるかもしれません。
 もし薬局にお越し頂いた際に、今使用されているサプリメントについて申し出ていただければ、より安全なサプリメントの使用について提言させていただけるものと思います。
サプリメントのタイプ表
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