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健康シリーズ HEALTH

第67回:子どもたちの育ちの問題
現在の「少年事件」から見えてくること
みずしま診療所 臨床発達心理士 檀上貴史
みずしま診療所 臨床発達心理士 檀上 貴史
 先日起きた奈良の高校生による自宅放火、家族の焼死事件や母親を毒殺しようとした事件など、最近、世間を驚かせるような少年事件が起きています。こうした事件から「今の子どもたちは〜だ」と一般化したり、事件の背景や要因の独自性を無視して一概に論じることはできません。しかし健やかに育っていく子どもたちがいる一方で、こうした事件に至ってしまう子どもたちがいるのも現実です。そこで、こうした事件に至ってしまった子どもたちの育ちの問題(報道されている内容という限定つきですが)を考えていくことで、ある程度予防できると考えています。

共通する育ちの問題
 こうした子どもたちの育ちに共通して感じることが3つあります。つまり「自己の感情や行動をコントロールする力の弱さ」「現実的にものごとを考え、解決に向かうといった現実検討能力の弱さ」「自分が自分であっていいんだ、という自己肯定感の弱さ」です。

「勝ち組」「負け組」
 こうした「弱さ」はどうして起きてくるのでしょう?「自己肯定感」の弱さでいうと、今の世の中は「勝ち組」「負け組」に象徴されるように「人との競争に勝たなければ生きていけない」という競争主義がまん延しています。そのためお互いの個性や能力の違いを認め合い、協力したり助け合ったりすることにはあまり価値が置かれず、特定の能力や技術(例えば学力)を高めることを幼児期から求められる傾向があるように思います。そうしたなかで自分や他人を信頼する心が育つのは難しいのではないでしょうか。

地域の協力で
 早くからこうした育ちの弱さに気づき、園や学校と家庭が協力して育ちの援助をしてあげることができれば、きっとこうした事件も減っていくのではないかと思います。
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