第88回:食中毒を防ぐ 生ものは加熱、調理時には手洗い |
水島協同病院栄養科 竹田 純一 |
残暑が続いています。食中毒の多い時期です。どんなものが食中毒の原因になるか、食中毒の予防についてご紹介いたします。 まず、主な食中毒の原因になる細菌として、牛・豚・鶏肉、鶏卵などが原因になりやすいサルモネラ菌。特徴としては広く自然界に分布していて熱に弱い。 刺身など生の魚介類、塩漬け食品が原因になる腸炎ビブリオ。特徴は塩分を好み、まな板などから二次感染を起こし、熱と真水に弱い。 鶏肉(刺身、ささみなど)牛・豚肉、生水、サラダが原因となるカンピロバクター。特徴は加熱に弱いが、少量の菌でも感染する。 食肉、野菜、井戸水などが原因になる病原性大腸菌O157。特徴は、腸管に入った菌はわずかでも発病し、人から人へと二次感染する。 おにぎり、弁当、サンドイッチ、サラダなどが原因となる黄色ブドウ球菌。化膿した傷などから食品が汚染され、毒素は熱に強い特徴があります。 食中毒は一年中発生しているのですが、最も多く発生しているのは、6月から9月の4カ月間で、気温の上がる夏は、特に菌がうようよと増えるのです。 食中毒は、菌のついた食物を食べたり、飲んだりして起きる中毒であり、菌が繁殖しやすい夏では、生ものには注意して、生で食べると危ないと思ったら、菌は熱に弱いものが多いので熱を加えて食べるなどの工夫が必要です。 そして、調理する時や食品にさわる時は必ず指先、指の間までしっかり手洗いし、調理器具を清潔にして、二次感染に注意することが必要です。
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