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健康シリーズ HEALTH

第124回:どうされましたか 血圧と動脈硬化の関係 著者の顔写真
みずしま診療所 吉井健司 医師

支部の組合員さんに動脈硬化について教えてほしいと話がありました。今回、みずしま診療所の吉井健司先生に回答していただきましたので紹介します。

【Q】 テレビの健康番組で、血圧の高い方と低い方の差が2倍以上あると、動脈硬化が進んでいる兆候だということを言っていた。私は130/60と差があり、かかりつけの医者に聞くと、「そんなに問題ないでしょう」と言われた。ほんとうに動脈硬化が進んでいるのでしょうか。また、動脈硬化の予防などで、日常生活でどのようなことに気をつければいいでしょうか。
(倉敷市本町 81歳男性)

【A】 「動脈硬化」という言葉には、栄養を内蔵に送る血管である動脈が
@内腔が狭くなり、血液を送りにくく、つまり安くなる
A血管そのものが柔らかい状態から硬くなる
という二つの意味があります。
 脳梗塞、心筋梗塞といった血液の流れが悪くなる病気は、主に@が関係するものです。それは血圧の値だけで判断はできません。Aの状態になると、上の血圧に比べ、下の血圧が低い状態になりやすいことは知られています。しかし、上の血圧と下の血圧が「2倍以上」というのは根拠のない数字です。しかもこの方の場合130/60という値は、上の血圧も下の血圧も共に高血圧の基準には入らない状況です。

全身の動脈硬化がどの程度進んでいるかを正確に判断することは簡単ではありません。しかし、頸動脈超音波で頸動脈の中を観察する、頭部MRIで脳の血管を見る、眼科で眼底を調べて毛細血管を見る等は、直接動脈を痛みを伴わずに観察できる方法です。尿から蛋白が出ているかどうかも直接ではありませんが、腎臓の血管の状態を推察することができますし、血圧脈波検査(ABI)でも足の血管の状態をある程度推測はできます。

以上の検査は、水島協同病院、みずしま診療所で十分可能ですのでご相談ください。

また、狭心症、心筋梗塞の原因になる心臓の栄養血管である冠動脈の動脈硬化の状態を調べることができるCT検査が、来年度は当院でも可能になる予定です。

動脈硬化の予防は、動脈硬化を来しやすい要因を可能な限り少なくすることです。つまり、血圧、脂質、血糖を正常に近づけ、ご家族を含め喫煙されている方は禁煙。また、食事では、肥満を防ぎ、青魚を多く摂ることは効果があると思います。

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