第126回:どうされましたかB 「ロタウイルス胃腸炎って」?! |
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高山裕規医師 |
〈質問〉組合員さんからの「私には3歳になる孫がいます。この冬の時期に小さな子どもが感染する病気で『ロタウイルス』というのがあるそうですが、気になっています。症状や治療法、予防対策など教えてください」という質問があり、みずしま診療所 小児科 高山 裕規医師に答えていただきました。 〈答え〉◆家族へも感染毎年冬から早春にかけて、乳幼児にロタウイルス胃腸炎が流行します。 特に免疫力が弱く、胃や腸も未発達な赤ちゃんで、重症化します。 突然のおう吐で始まり、白っぽい水のような下痢が何回も出て、脱水症になります。脱水症になると、「おしっこの回数・量が少ない」「水分がとれない」「くちびるが乾燥している」「顔色が悪い」「ぐったりしている」などのサインが現れますので、早めに小児科を受診してください。 なお、吐いた物や下痢から、ご家族へ感染しますので、手をよく石けんで洗ったり、消毒したりして予防しましょう。 ◆脱水症を予防残念ながらロタウイルスに対する特効薬はなく、吐き気がおさまったら、「こまめに」「少しずつ」水分を補給して、脱水症を予防するしかありません。 水分補給には、母乳やミルク、電解質を含むイオン水が適しています。それも飲めなくなったら、病院で点滴をすることになります。 ◆予防するワクチンがこのロタウイルス胃腸炎を予防するワクチンが、わが国でもやっと利用できるようになりました。 このワクチンを接種すると、赤ちゃんのお腹の中でロタウイルスに対する免疫がつくられます。そのため、ロタウイルスに感染しても胃腸炎を発症しない、または発症しても点滴や入院が必要になるほどの重症化しにくくなります。 すでに2004年頃からこのワクチンを実施しているアメリカ合衆国では、入院を必要とするような重症なロタウイルス胃腸炎が激減しています。 ◆詳しくは小児科へこのワクチンは、飲む生ワクチンで、生後2か月前後から、4週間以上あけて2回飲みます。生後6か月以降のお子さんは飲めません。任意接種で、有料です。 組合員11,500円 一般 13,000円 生後2か月ころから、肺炎球菌ワクチンやヒブワクチン等と一緒に接種するのが理想的です。 詳細は、みずしま診療所小児科へお問い合わせください。なお、予防接種はすべて予約制で実施しております。 感染ルート患者さんの便や吐いたもの 家具、タオル、おもちゃなど 手や指 口から小腸へ(感染) ロタウイルス胃腸炎の主な特徴突然の激しいおう吐から始まることが多い 1日に何度も白っぽい米のとぎ汁のような下痢をする 熱が出ることもある 《その他症状》もうろうとする、腹痛、食欲不振など 《合併症》脱水(下痢やおう吐のため) けいれん、腎不全、脳炎・脳症など |