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健康シリーズ HEALTH

第185回:歯科シリーズF
口の機能の衰え「オーラルフレイル」早めに気づいて対策を

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コープくらしき歯科診療所 歯科医師 滝本 博

「しゃべりにくい」、「食べこぼす」、「わずかにむせる」、「かめない食品が増えた」など口の些細な症状を感じる事はありませんか。もしかしたらそれはオーラルフレイルの症状かもしれません。

オーラルフレイルとは、直訳すると「口の衰え」で、口腔機能の軽微な低下や食の偏りなどを含み、身体や精神の衰え(フレイル)の一つです。東京大学高齢社会総合研究機構の飯島准教授他が提唱し、歯科医師会と共に啓発活動が行われています。

今までにも、歯や口の健康が健康寿命に関係することが、様々な研究で明らかにされてきました。例えば、「歯の本数が多いほど、長生きする」、「歯の本数が多い、または義歯を使用できている人ほど認知症にならない」、「歯を失い、義歯を使用していないと転倒リスクが高まる」などです。また日本人の死因第3位の肺炎は、口の健康と大きな関係が指摘されています。

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歯・口の健康をおろそかにすると、噛む力や舌の動きも悪くなり、栄養が十分に取れなくなります。また、滑舌が悪くなり人との交流を避けたり、家に閉じこもる生活になりやすく、社会性の低下を招いたりします。オーラルフレイルは、この様な一連の口の機能の低下の進行を示唆しています。

オーラルフレイルは全人的なフレイルの「前触れ」とも言われ、早期に気づいて対応する事で、身体の大きな機能不全の予防になります。よく噛むことや、しっかり歯みがきをすることから始め、定期的に口腔内の状態を診査してもらい口腔機能の維持、向上に努めていきましょう。

フレイルとは?

加齢にともなって、運動機能や生理的な機能が低下して、日常の生活活動が低下した状態を「フレイル」と呼びます。多くの高齢者がフレイルの段階を経て要介護状態を迎えます。 岡山県の「平均寿命」は、男性で79.8歳、女性で86.9歳ですが、自立した日常生活を送ることができる「健康寿命」は、男性で69.7歳、女性で73.5歳と10歳以上も短くなっています。健康に長生きするためには、フレイル予防が大切です。

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