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健康シリーズ HEALTH

第188回:知っておきたい薬のはなしB
多剤併用の弊害(ポリファーマシー)について

水島協同病院 薬剤師 林 雄一郎

みなさんは、『ポリファーマシー』という言葉を耳にしたことはありますか?

今回は、薬と副作用、お薬手帳のおはなしです。

ポリファーマシーとは

ポリファーマシーとは同じ効果のお薬が重複している、必要以上のお薬が投与されている、不必要なお薬が処方されていることです。

ポリファーマシーの原因は、患者さんによる複数の病院・診療科の受診、お薬の副作用に対する薬剤の追加などでお薬が増えていくことが挙げられます。薬物有害事象(お薬を投与された患者さんに生じた好ましくない症状、副作用など)が増えていることも問題と考えられています。

70歳以上の高齢の入院患者さんを対象として、飲んでいるお薬の数と薬物有害事象との関係を示した研究がされており、お薬が6種類以上に増えた場合に有害事象が起こる頻度が増えていると言われています(図1の1)。また、転倒が起こる頻度はお薬が5種類以上で発生率が高く(図1の2)、これらのデータより6種類以上というのがポリファーマシーの1つの目安となっています。

多剤処方と薬物有害および転倒の発生リスク
高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015より抜粋

お薬手帳が役に立つ

ポリファーマシーによる有害事象を防ぐためにはどうしたらいいでしょうか?

お薬手帳を活用することが大切です。お薬手帳には、患者さんの基本情報、アレルギー、副作用の有無、病歴、かかりつけ医・薬局、服用薬に関する情報、処方薬の名前、使用量、服用回数、方法、期間などが記載されています。

医師・薬剤師がお薬手帳を確認することで同じ効能のお薬の重複や不要なお薬の投薬を防ぐことができます。医療機関や薬局に行く際は、必ずお薬手帳を携帯しましょう。

また、生活習慣を見直すことでお薬の調整ができることがありますので、お薬や生活習慣でお困りのことやご不明な点がありましたら、医師又は薬剤師までご相談ください。

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