第108回:きれいな歯ならびに(3)
最新の矯正治療 |
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水島歯科診療所 歯科医師 辻 重真 |
めざましい矯正法の発展
近年の歯科矯正治療法の発展と矯正材料の開発には目覚ましいものがあります。特に歯面に器具(矯正ブラケット)を直接接着して歯の移動を行う治療法である、マルチブラケット法の分野では、器具の見た目には大きな変化はありませんが、工夫を凝らせて治療時に痛みが少なく、治療期間がやや短くすむタイプのものが普及しつつあります。水島歯科で2006年度から使用している「デーモンシステム」ブラケットもそのひとつです。従来使用していたブラケットによる治療よりも確かに早く終了できるという利点があります。
画期的なミニインプラント
矯正ブラケット以外で画期的な新しい治療技術に、矯正用ミニインプラントというものがあります。ブラケット法によって歯の移動を行う場合、固定源が必要ですが、直径わずか2ミリ、長さ5〜9ミリのチタン製の小さなミニインプラントを、所定の位置の顎骨に埋め込むことによって強力な固定源として機能します。従来では不可能とされた大臼歯の圧下(根の方向への移動)が可能になり、今まで矯正治療が困難だった反対咬合や開咬(先月の記事を参照)の場合にも、確実性をもって治療できるようになりました。水島歯科でも2006年度より使用しています。
歯の裏側からの治療
今後の展開としては、歯の裏側からの治療(リンガルブラケット)に取り組みたいと考えており、2年前から準備を進めています。たとえ新しい技術でも試され済みのもので、患者さんからのニーズに応えることのできるものであれば、積極的に取り入れていきたいと考えています。倉敷医療生協歯科の矯正治療に今後もご期待ください。 |