第144回:口腔ケアシリーズA |
玉島歯科診療所 歯科衛生士 高羽美幸 |
口の中に常在する真菌(カビの1つ)のカンジダによる感染症を口腔カンジダ症と呼んでいます。 通常、健康な状態では非病原菌として常在している菌が、体調不良や体力低下など宿主の免疫低下、感染防御機能低下に伴い病原性を現し発症します。また、薬剤の長期服用による影響や抗菌薬の投与による菌交代症によっても生じることがあります。症状は、頬粘膜、舌、口唇、口蓋などにクリーム状の白斑が現れます。炎症症状が軽度であれば、自覚症状はあまりありませんが、慢性化すると白斑部の上皮が肥厚します。紅斑が著明な萎縮性カンジダ症は、口蓋、舌に好発し疼痛を伴うことも多いのが特徴です。鏡の前で大きく口を開け、自己点検してみましょう。不安な方はすぐ歯科医への受診をおすすめします。 検査は簡単に行えます。カンジダ症と判明された場合は、抗真菌薬を投与します。
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