第187回:知っておきたい薬のはなしA |
水島協同病院 薬剤師 新田 可奈子 |
今回は、知っているようで勘違いや誤解しがちな薬のお話を紹介します。 薬を飲む時間と量薬を飲む時間には、食前、食後、食間等があります。みなさんよく御存じのとおり「食前」は食事の30分前、「食後」は食事の30分後です。 勘違いが多いのが「食間」です。「食事をしている間に飲む」と思っている人は大間違いです。「食間」は食事の2時間後のことを指します。 薬は、薬の飲み合わせや、薬の効き方によって飲む時間が決められています。例えば、漢方薬は食前の方が吸収が良いため、食前に飲む方が良いとされています。 薬の量は、大人と子どもで違うように、大人でも成人と高齢者では異なります。 高齢者では一般的に腎機能が低下し、薬の量が少ないことがあります。薬の量はその人に合った量が処方されていますので勝手な判断で、量を減らしたり、増やしてはいけません。薬を飲む時間や量には意味があります。薬を効果的に効かせるため、また副作用を防止するために決められた時間に決められた量を飲んでください。 薬のかたち薬を飲みやすくするために錠剤を砕いたり、カプセルを外したりしていませんか?薬には効果に合わせて様々な剤形があります。 薬の成分がじわじわと溶け出るように作られている徐放錠は長時間作用が続くようになっており、1日1回の内服で済みます。他に、週に1回、月に1回服用する薬もあります。 また、酸に弱い成分の薬は胃で溶けず、腸で溶けるように設計されているものもあります。製剤は工夫されている薬もあるので、むやみに割ったり砕いたりしないで、そのまま飲んで下さい。 飲み忘れた時ときどき薬を飲み忘れることもあると思います。その時、どうしていますか? 薬の飲み忘れに気付いた時は、次の服用まで時間が空いているようなら原則すぐに1回分を服用してください。 例えば、お昼に飲み忘れたからといって、夜に2回分を飲むことはしないでください。副作用が出やすくなります。 薬によっては食後の薬を空腹時に服用すると胃が荒れてしまう可能性があるため、軽く何かを食べコップ一杯の多めの水で服用するようにしましょう。 もし飲み忘れた時にどうすれば良いか判断ができない時や、飲み忘れを防止する方法を相談したい等あれば、気軽に病院や調剤薬局の薬剤師に声をかけてください。 |